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ロックの部屋

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NIRVANA

ニルヴァーナ『NEVERMIND』



ロックという音楽はつくづく楽しいものじゃないと思うよ。人間嫌いであったり、社会生活不適応であったり、引きこもり状態であったり………。ロックって本来そんな状況下の中で生まれてくるもんじゃない!?

そういったゴチャゴチャしたものを、吹っ切ろう吹っ切ろうとするための、手段としての音楽。音楽のジャンルの中でもこれは特殊だ。ノイジーなギターだったり、シャウトする金キリ声だったり……

毎日が楽しくて楽しくて仕方がないとか、友人がたくさんいるとか、仕事が面白くて面白くて毎日が充実しているとか、学校に行くのが楽しくて楽しくて仕方がないとか……

そんなのは、ちっともロックじゃない。学校へ行っても孤立して友だちなど1人もいないとか、毎日がイライラして生活に不満だらけで、ともかく今の状況から何とか抜け出せないだろうとか、そんなことばかりを考える。ロックが生まれる状況としてはこれが最適だ。

【ニルヴァーナ】のカート・コバーンは、7歳の時に両親が離婚。それを堺に社会不適応になったのだという。将来に幻滅し自分の置かれている状況を覚った感受性の強い少年は、それから一般の少年とは違いアーティスティックなことを追求し始める。

ニルヴァーナというバンドの曲を初めて聴いたのは、「SMELLS LIKE TEEN SPIRIT」という曲からでした。それほど聴いて楽しいものではなかったし、買うほどのものではないなという思いで持っていませんでした。最近リイシューされて日本盤が安くなって売られていたので『NEVERMIND』を買いました。

やはり聴いて楽しくなる類のロックではないが、気持ちよさはあります。自分の嫌な部分を見せつけられる思いがする。普段は封印しているからこそ、どうにか通常に社会に入って生活しているのだろうと思う。

社会の中でやっていくには、遊び心やいい加減さを持ち合わせていなければならないと思うのですが、ニルヴァーナの激しいロックには、直線的で冗談がない。

こういったバンドがメジャーシーンに躍り出ること事態が矛盾を抱えることになる。カート・コバーンは後にこの状況について《怖い》と告白していた。

『NEVERMIND』が売れてしまった要因、かつての70年代パンクにもあったような既存のロックシーンの大掃除的役割。クランジというムーヴメントのリーダー的役割。

作品としての出来もまとまりがあって聴きやすい。より大衆受けする構成だと思う。ただカート・コバーンはこのアルバムについては、きれいにまとまりすぎていて、洗練されすぎていて聴けたものではない。自分の趣味ではない。と言っているようだ。

ロックミュージシャンにとってツアーというものは過酷らしく、その時にドラッグを服用するという事が多いらしい。カート・コバーンもかつてヘロインを1年やっていたのだそうだ。副作用にも苦しめられたというが1993年7月時点ではドラッグは絶っていた。(少なくとも前年の結婚後は)そしてサードアルバム『イン・ユーテロ』を1993年9月発表後、10月から全米ツアーを開始して1994年2月のヨーロッパツアーまで続けられた。

1994年3月にローマの宿泊先でドラッグの過剰採取のため昏睡状態に陥る。同年3月ドラッグのリハビリ治療のためロサンゼルスの病院に入院。そして病院から逃げ出したカートはシアトルの自宅にて猟銃自殺を遂げる。ツアー中に何があったというのだろう。

このニュースは当時、それほどニルヴァーナには興味がなかった私の耳にも入ってきました。確か一般のニュースにも大きく報道されたと記憶しています。波紋は大きかった。


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